ヨーロッパ4カ国を旅して回り、実際に目にして感じた街の魅力をお伝えするとともに、円安の影響を大きく受けた旅費の話まで正直に明かす本連載。第1話は、フランス・パリから始まります。
[目次]
1.旅行前に東京の両替所で衝撃
2.現金はどのくらい必要だったのか?
3.パリ6泊7日で何にいくらかかった?
航空券+ホテル代
美術館と観光スポット
飲食代
4.まとめ
2023年7月4日(火)から28日(金)までの一カ月弱、パリ、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ベネチア、バルセロナ、ロンドンと7都市4カ国を旅行してきました。旅行を決めたのは6月のことで、「ハイシーズンだけどホテルも飛行機もまだすいている。またいつ旅行に行けなくなるかわからないし行こう!」ということで、半ば勢いで決めたのが始まりです。夫と2人、「好きなときに好きな場所に行けるようになりたい」という気持ちで仕事もお互いフリーで始め、セレブのようにリッチな旅行はできないけれど、学生のように切り詰めた節約旅行ではなく、「適度に美味しいものを食べたり美しいものを観ようよ」という話をしていました。
ですが、旅行に行く2週間前に「ユーロ/円が上昇し、1999年のユーロ導入以来の最高値を更新」という衝撃的なニュースが降りかかり、怯(おび)えながらも旅に出掛けることに…。
♢旅行前の両替所での衝撃
キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、現金は念のため用意していきました。旅行の直前に、渋谷駅のマークシティ2階にある外貨両替専門店 トラベレックスにて3万円分のユーロの両替をお願いしました。
手数料なども引かれた結果、手元に戻ってきたのはたったの180ユーロでした(厳密に言うと、2万9300円支払いました)。「230…いやせめて、200ユーロくらいになるか」と思っていましたが、予想をはるかに超えた少なさに衝撃を受けたわけです。
ちなみに写真を撮り忘れましたが、ベネチアの街中にある両替所では「1万円45ユーロ(手数料込み)」という張り紙を見かけました。現金をある程度持っていく予定の方は、可能な限り日本での換金をおすすめします。
♢現金はどのくらい必要?
1カ月弱旅行をして、現金が必要だったシーンはそう多くありませんでした。現金を使った場所と言えば、ローマで流しのタクシーに乗ったとき、そのほかフィレンツェの自販機、コインランドリー、バルセロナのグエル公園近くのカフェ、バルセロナのビーチでパラソルのレンタルをしたときなど。7年ほど前のイタリア(特にベネチア)では“キャッシュオンリー”が多かった印象でしたが、今ではApple Payやタッチ決済を導入しているお店も増えたようです。
最終的には、現金は50ユーロほど余りました。
余談ですが外貨の硬貨が余った場合には、外貨を両替(一部外貨のみ対応)してSuicaなどの電子マネーやギフトコードにチャージできる端末(ポケットチェンジ)がとても便利です。駅や空港など設置場所もさまざまなので、近くに行った際にはぜひ利用してみてください。
♢パリ6泊7日で
何にいくらかかったのか?
航空券+ホテル代
【航空券】
航空券は、エールフランス航空で羽田(HND)からシャルル・ド・ゴール空港(CDG)の往復券を購入しました。エコノミークラスで金額は26万4240円/大人1人。これでも安いチケットを購入したほうです。今回は出国時は深夜便で、帰国時は朝の便にしましたが、帰国便を夕方18時の便にしていた場合ここからさらに10万円値上がりしていたので…。
【ホテル】
旅のルートはパリから始まり、ロンドンまで行ったあとユーロスター(列車)に乗ってパリへと戻り、日本に帰国する計画でした。つまり、パリの滞在は前半と後半で2回ありました。
パリ前半のホテルは、シャンゼリゼ通りから徒歩圏内の8区にあるブティックホテル「Hôtel La Canopée」に6泊7日。金額は2232ユーロ(36万963円/税・サービス料込み)でした。
パリはホテル激戦区でもあります。他の都市に比べるとホテル代が高いだけでなく、1区などの人気エリアは早めに抑えておかないと、予約すらとることもできないでしょう。そのため、パリだけはホテル代の予算を高めにとる計画にしました。ちなみにホテルだけで探した場合は、8月に入ってからのほうが比較的価格は落ち着いていました。同ホテルも、1泊3〜4万円の日があったくらいです。
パリ後半は、チュイルリー庭園のすぐそばにある1区の「オテル ド ラ タミス エスプリ ド フランス」に1泊と、空港直結の「シェラトン・パリ・シャルル・ド・ゴール・エアポートホテル」に1泊。それぞれ、296ユーロ(4万7571円/税・サービス料込み)と259ユーロ(4万1750円/税・サービス料込み)でした。
美術館と観光スポット
【美術館】
「美術館のチケットは、当日買えない場合がある」と知ったのは、旅行に行く1週間前のこと。当日買えるものだと思い込んでいて何も準備していなかったため、これにはかなり焦りました。
結果、日時も限られた残り少ない中でしたが、チケットは確保しておくことはできました。パリで事前に購入しておいたのはルーブル美術館、オランジュリー美術館、オルセー美術館です。中でもオランジュリー美術館のチケットは、残り数枚しかないほど人気でした。
ヨーロッパで最大の近代美術館であるポンピドゥー・センターは、「2025年末から5年もの休館に入る」というニュースを聞いたばかりで行きたかったのですが、今回はスケジュールの都合上行きませんでした。
ルーブル美術館 36ユーロ(5761円/大人2名)
オランジュリー美術館 32ユーロ(5163円/大人2名)
オルセー美術館 25ユーロ(4034円/大人2名)
【セーヌ川クルーズ】
他にも、セーヌ川クルーズやエッフェル塔の展望台なども楽しみ、パリを堪能しました。これらのアクティビティは前日にチケットの予約ができたため、現地に着いて、気が向いたら行ってみるという程度でも間に合うでしょう。
セーヌ川クルーズには、複数の種類があります。中でも有名なのが、エッフェル塔近くから出発する「バトー パリジャン」と、アルマ橋から出発する「バトー ムッシュ」です。この2つの遊覧船の中でもいくつかのプランがあり、食事をしながらクルーズを楽しめるものや遊覧のみのものもあります。
今回は座席指定のない、遊覧のみの「バトー ムッシュ」に乗船しました。金額は、30ユーロ(4812円/大人2名)でした。
【エッフェル塔の展望台】
エッフェル塔では、エレベーターで2階(第2展望台)まで上がるチケットを選びました。体力に自信のある方には、階段で登るプランもあります。2階と言っても地上115mまで登るため、高さはかなりあります。さらに上の第3展望台まで行くと、高さ276mと倍近くの高さまで登りますが、「パリには高い建物がないので、あまり高いところに行きすぎても何を見ているのかわからなくなる」というレビューサイトのコメントを読み、今回は第2展望台までにしました。結果、このフロアで大満足。金額は36.20ユーロ(5828円/大人2人)でしたが、もし第3展望台まで登った場合は、大人1人あたり26.80ユーロでした。
飲食代
現地での飲食代も、旅費を左右する項目の一つです。事前に、食事代は1日2万円と決めていましたが、旅行中は疲労などでカフェに入る頻度も高く、予算を決めていても超えてしまう日は幾度となくありました。
食事やカフェの頻度は人によって異なりますが、参考までに今回の旅行中にかかった食費の一部をご紹介します。
♢まとめ
入国制限などが緩和されてから、初めて迎えた夏。世界で最も観光客数の多いパリは、世界中の人であふれ、どこも活気に満ちていました。日本人観光客も多く、団体ツアー客を見かけることも。
ですが、せっかく気軽に旅行に行けるようになったとは言え、円安が続いています。多くの日本人観光客にとって特に気になるのが“旅費”ではないでしょうか。
ツアーなどパッケージになっているものは明確化しやすいですが、漠然とパリやその他近辺の国も旅行したいと考えたときに、「何にいくらくらいかかるのか?」という不安や疑問がある方も多いでしょう。そんなときに、この記事が参考になれば幸いです。
次回、イタリア編へと続きます。パリからミラノへと飛行機で移動し、イタリア国内は列車で移動しました。しかし、ストライキの多い国です。そのまさかで、乗るはずだった列車がキャンセルされてしまうトラブルに見舞われました…。
※記事内に記載の金額やレートは、旅行時点または記事随筆時点の価格です。